フリーズドライ装置で氷の乾燥試験したら、なんと💦

フリーズドライ装置を運転試験する時に、水を装置内で凍らせて試験することをお考えの方は、注意が必要です。真空ポンプが壊れるかもです。

スープや味噌汁を真空凍結乾燥する場合、凍ったブロックを完走トレー上で徐々に加温して乾燥していくかと思います。この時、フリーズドライはスープのブロックの下部、上面、側面から乾燥が進みます。乾燥後半はそのブロックの中心部分にだけ氷が残り、乾燥が更に進みます。乾燥棚にはヒーターが付いていて、徐々にこのブロックの温度を上げていきますが、このブロックとトレーの間には、乾燥した層が断熱材のように横たわっています。その上に氷があるというイメージです。したがって、完走トレーを摂氏10℃まで上げても、そのブロックの中心の氷がすぐに溶けることはありません。その氷はどんどん昇華していて、熱を奪われていて、氷は溶けません。

しかしながら、ここで水だけから作った氷を乾燥トレーに置くとどうなるかというと、棚温度を10℃にしたら、氷はトレーに直接のっているので、トレー温度が上がると氷が溶けます。スープブロックのように下には乾燥したスープの断熱材がありますが、氷はそんなものなく、トレーの温度を直接享受するため、氷は真空凍結乾燥機中で溶けて、水は真空中で突沸を起こします。そうなると、一度に大量に水蒸気が発生するため、この水蒸気はコールドトラップに全てが捕捉されず、真空ポンプの方に行ってしまいます。オイル回転式真空ポンプでは、この水分はポンプ内に溜まり、オイルが増量したように見える時があります。これを放置すると真空ポンプは一発で故障します。

水で試験したい時もあるかと思いますが、その時は棚温度を0℃以下にすることが必要かと思います。

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